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第6回登り窯で焼く作品募集
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概要

 今年も、夏の登り窯で焼く一般の方々の作品を募集することとなりました。作り方の説明やお手伝いもいたしますので、初心者の方でもお気軽にご参加くださいませ。また、電動ロクロによる製作もできますし、釉薬もいくつか準備しましたので、 さらに個性あふれる作品ができあがるかと思います。

製作締切:2008年7月12日(土)
 大物(縦・横・高さのいずれかが30cm以上の作品)の締切りは7月6(日)
窯焚き日:7月22日(火)〜23日(水)頃
窯出し日:7月27日(日) 午前10時頃からを予定
基本料金:粘土(作品)1kgあたり2000円 (税・釉薬代・焼成代込み)

・持ち込み作品でも結構です
・電動ロクロでの作陶を希望の方は予約時にお申し出ください
・通常の青い海鼠釉の他、古代釉(青色〜水色系統の昔風な色合い)や天目釉(黒色)もご利用いただけます

詳細

■ 登り窯で焼くということについて
現在、ほとんどの焼物は電気窯やガス窯で焼かれています。ところが、かつては薪を燃料とした窯(登り窯、窖窯等)で焼かれていました。当楢岡陶苑の有する登り窯で作品を焼くということは、ただ単に昔の焼き方を現代に再現するだけでなく、以下に述べますメリット(特徴)とリスクが同時に発生します。すなわち、普通の窯では再現できないような優品ができることもあれば、二目と見れないような愚品になる可能性もあるということです。

□ メリットについて
窯焚きの燃料は薪(主に松の木)です。したがって、燃焼時にその灰が窯内を舞い、作品に降りかかります。一つの作品の中で、火前(薪...つまり炎に近い部分)には灰が多く降りかかり、その裏側にはあまり灰がかかりません。そして、灰の降りかかった部分の釉薬には多少の変化が生じます。また、釉薬だけでなく素地(粘土)にも変化が生じます。変化する火前と変化しない(そのまま焼きあがる)裏側が出来上がり、それが作品の「面白み」「味わい」となることがあります。

窯の構造上、同じ部屋の中でも場所によって大きく温度差ができます。正確には、熱カロリーの差となります。したがって、同じ作品でも窯詰めの場所によって温度差が生じ、色具合や肌合いに差ができることがあります。場合によっては、一つの作品の中に異なった色・肌合いが混在することもあります。これもまた同様に「面白み」「味わい」となることがあります。

一般的に、焼き方は「酸化焼成」と「還元焼成」の2種類に大別できます。前者は「酸化状態」すなわち酸素を十分に供給しながら焼くこと、後者はある温度以上になったら「還元状態」すなわち酸素不足の状態で焼くことを意味します。ところが、登り窯はこの「酸化状態」と「還元状態」を数分置きに繰り返します。なお、酸化状態が長ければ総合的に「酸化焼成」、還元状態が長ければ「還元焼成」となります。そして、この酸化・還元の繰り返しによる影響のひとつに、釉薬の乳濁を大きく助長ことがあります。影響を受ける具体的な釉薬(伝統釉)は、海鼠釉、月白釉、鈞窯釉等です。他にも、辰砂釉や釉裏紅の発色にも影響すると言われております。
□ リスクについて
窯焚きの燃料は薪、そしてそれを投入するのは人。すなわち、登り窯を焚くということには不安定要素が数多くつきまとうため、安定して焚くことはまず不可能に近いです。

最も大きなリスクは焼け具合についてです。窯の中で、薪に近い部分(火前)の瞬間的な温度は1300度を超えます。逆に、最も温度が低い部分は1200度を少し超えたぐらいです。そして、窯全体の焼け具合を見て窯焚きを継続するか終了するか決めるのですが、場合によっては一部が焼け過ぎ状態(釉薬が下まで垂れたり、作品が変形したり等)になることを覚悟したり、あるいは逆に一部が焼け不足(釉薬に光沢感がない等)になることを覚悟したりしなくてはいけません。そのため、「もしかしたら上手く焼けないかもしれない」というリスクは常に背負うことになります。

また、「窯の内壁が熔解して作品に付着する」「炎の勢い(風圧)により、作品が押されて何か(他の作品、窯道具等)と付着する」といったことも考えられます。いずれも電気窯やガス窯では起こりにくいことですが、登り窯ではしばしば起こりえます。
我々は窯焚きを常に全力で行います。体力・精神力を限界まで酷使して炎と、そして窯と闘い続けるのですが、それでも上記のような失敗はある程度存在してしまいます。
その点だけは、どうかご理解いただけたら幸いです。

■ 製作について
製作場所は特に問いません。
当楢岡陶苑の作業室で製作しても結構ですし、他の場所で製作した作品を持ち込んでも結構です。

□ 当楢岡陶苑にて製作する場合
通常の陶芸教室(一日作陶体験)と同じような形となります。すなわち楢岡の粘土を使用し、お客様が成形した後は当方で簡単な仕上げ・素焼・施釉(海鼠釉ほか)を行います。

また、電動ロクロを用いた作陶も可能です。指導員が補助しますので、初心者の方でも大丈夫です。ただし、前日までにご連絡いただけますようお願いいたします。また、電動ロクロの台数が限られていますので、大勢の方が希望された場合はご遠慮していただく場合がございます。

当楢岡陶苑の営業時間(作業室利用可能時間)は8:30頃〜17:30頃となっておりますが、前日までに連絡を頂けましたら夜間(22:00まで)も作業室を利用できます。
□ 作品を持ち込む場合
使用する土・成形方法については特に問いません。もし楢岡の粘土を使用したい場合は、代金お支払いとともに粘土をお持ち帰りして頂くことになります。(粘土だけを送ることも可能ですので、その場合はご相談ください)

製作した全ての作品に、確実に自分のものと識別できる印や記号等を入れて下さい。(イニシャルや日付等は不可)

作品は、期日(後述します)までに当楢岡陶苑まで搬入して頂くことになりますが、生素地の状態でも素焼済み(施釉済み)でも構いません。お客様が直接こちらまで運んで下さるのが最良ですが、宅配便等を利用しても構いません。ただし、その場合は運送途中におけるいかなる事故も当方では責任を負えませんし、フォロー(釉剥げの修正等)も可能な範囲内とさせて頂きます。
■ 作品の締め切り・制限について
当楢岡陶苑にて製作される場合は、7月12日(土)までといたします。それ以降に製作された作品は登り窯での焼成をお断りさせていだだきます。また、大きな作品(大物)は乾燥に時間がかかるため、7月6日(日)までに製作をお願いします。大物とは、ここでは縦・横・高さのいずれかが30cm以上の作品といたします。

持ち込みの作品の場合は、生素地(完全乾燥)作品でしたら7月15日(火)の正午、素焼済み(施釉済み)作品でしたら7月17日(木)頃までに到着するようお願いいたします。

生素地のまま登り窯で焼成することはできません。

小さな作品(ボタン・箸置き・指輪等)や不安定な作品(転倒しやすい、折れ曲がりやすい等)はご遠慮願います。
■ 釉薬について
釉薬は3種類の中から選んでいただきます。楢岡焼で使用している海鼠釉以外に、『古代釉』(より青色が抑えられ、柔らかな雰囲気になる予定の釉薬)と『天目釉』(光沢のある黒色の釉薬)が使用できます。特に指定がなければ、地には飴釉を掛けさせてもらいます。釉薬の種類は、作品一つ一つに指定できます。

また、ご希望により飴釉のみ、もしくは無釉のまま焼成することもできます。

また、お客様がご自身で用意した釉薬をご自身で施釉したものでも結構です。ただし、他の作品に迷惑がかかる恐れがある釉薬(クロム釉や発泡釉など)はご遠慮ください。また、流れやすい釉薬を用いる場合は作品と共にハマ(トチ)もご用意ください。
■ 窯詰めについて
窯詰めは、全て楢岡陶苑のスタッフで行います。品物の大きさや作業の都合上、窯詰め位置についてのご要望には応えられない場合が多いかと思われます。ご了承下さい。

当登り窯では全て棚組みを行います(匣鉢組みはしません)。したがって、もし匣鉢に入れての焼成を希望するのであれば、匣鉢のご用意をお願いいたします。

窯詰めの様子を見学することは可能ですが、長時間にわたる滞在は作業の妨げとなりますのでご遠慮願います。
■ 焼成について
捨て焙りも含め、火入れから約60時間かけて全ての部屋(4部屋)を焚いていきます。(もちろん全て薪を使用します)

(壁際の温度計によると)最高温度は火前で1250度前後、根で1210度前後となりますが、ゼーゲルコーンは火前がSK-10完倒、根がSK-8完倒ぐらいになるまで焚く予定です。

焼成雰囲気は、敢えて言うなら弱還元ということになります。しかし、昇温の都合により還元雰囲気で焚いていく場合があります。(厳密には、酸化と還元の繰り返しで昇温していきますので、そのバランス次第ということになりますし、作品の位置も大きく影響してきます)

窯詰め同様、長時間の見学はご遠慮願います。
■ 窯出しについて
窯出しは7月27日(日)の午前10時頃から開始する予定です。もちろん、窯元にいらっしゃれば出来立てホヤホヤの作品を手にすることができますし、そのままお持ち帰り頂けます。

焼き上がった作品がご期待に沿えない場合であっても、焼き直しや返金はできませんのでご了承下さい。

もし作品を受け取りに来れない場合は、こちらから発送することも可能です。(梱包費、送料がかかります)
■ 料金について
・基本料金:2000円/粘土1kg 手びねりの場合、粘土追加1kg毎に1000円となります。(電動ロクロの場合は2000円/kgのまま)
・焼成した作品の発送:[送料元払]一梱包1000円/[送料着払]一梱包400円
(全て税込み/振り込みも可能です)
■ その他
当登り窯で焼いた作品を、個展やグループ展などへ展示または作品展へ出品することはご遠慮願います。(「禁止」ではありません)
■ 申し込み・お問い合わせ方法
電話(0187-73-1018)、FAX(0187-73-1451)、メール(mailto:uk@naraokayaki.jp)いずれでも結構です。


有限会社 楢岡陶苑
〒019-1846
秋田県仙北郡南外村字梨木田344-1
tel:0187-73-1018
担当:小松 潮(こまつ うしお)
e-mail:uk@naraokayaki.jp

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